2022.10.30

「栄養ドリンク」の使い分けと注意点について

皆さんは「栄養ドリンク」と聞くと、どのような商品を思い浮かべるでしょうか。よくCMで見かける『ユンケル』『リポビタンD』『オロナミンC』や、女性の方だと『チョコラBBドリンク』、若い方だと『レッドブル』『モンスターエナジー』などのエナジードリンクを思い浮かべるかともいらっしゃるのではないでしょうか。「栄養ドリンク」と呼ばれるものはたくさんありすぎて、どれを飲むか迷ってしまいますね。

「栄養ドリンク」は薬なの?

「栄養ドリンク」の瓶を見ると、商品によって「(第二類・第三類)医薬品」「(指定)医薬部外品」「清涼飲料水」など、いくつかの表記がされているのがわかります。前述の商品で「医薬品」の記載があるのは『ユンケル』『チョコラBBドリンク』、「医薬部外品」は『リポビタンD』、「清涼飲料水」は『オロナミンC』『レッドブル』『モンスターエナジー』です。

「医薬品」「医薬部外品」の表記があるものは、何のために飲む(=どのような時に飲む)のか商品に“効能・効果”が記載されています。「清涼飲料水」は、文字通り「清涼飲料水」なので、好きな時に“気分転換”に飲む嗜好品といえます。

疲れている時の「栄養ドリンク」

栄養ドリンクを飲むのは、おもに “疲れている時”“風邪をひいて体力がない時” “シャキッとしたい時”などでしょうか?

“疲れている時”は、「(第二類・第三類)医薬品」「医薬部外品」の栄養ドリンクを選び、「効能・効果」を確認して自分の状態にあった商品を選んで下さい。

“風邪をひいて体力がない時”“の「栄養ドリンク」

食欲があるけど“だるい時”は、低価格帯のビタミン中心の医薬品・医薬部外品でもよいですが、“風邪をひいて体力がない時”は、できるだけ生薬の入った栄養ドリンクをお勧めします。(高麗)人参などの生薬で、栄養の補給するのがよいかと思います。たとえば、大正製薬『ゼナジンジャー』は生薬中心のカフェインを含まない商品でお薦めです。ほかにも『ユンケルDCF』なども、風邪薬と併用する場合にはお勧めです。  市販の風邪薬には「カフェイン」を含む商品が多いので、カフェインの過剰摂取にならないように、併用するドリンクは「デカフェ(カフェインを含まない)」の商品を選ぶのがよいと思います。

「エナジードリンク」はカフェインの過剰摂取注意!

若い方を中心に売れている「エナジードリンク」ですが、強い刺激(風味・炭酸)があり、いろいろなフレーバーも楽しめます。“シャキッとしたい時”にはよいかと思います。

「エナジードリンク」に含まれる原材料としては「カフェイン」「アルギニン」が特徴といえます。

「アルギニン」は夜間に成長ホルモンの分泌を促進や、ストレス時に需要の高まるアミノ酸といわれています。コンデション維持をサポートする効果も期待されます。

またよく社会的に問題となるのは、「カフェイン」の過剰摂取です。「エナジードリンク」には、商品によって50~150mgのカフェインが含まれています。たとえばカフェイン150mg入りの「エナジードリンク」を1日3本飲むと、市販薬の1日上限の500mgに近づきます(薬用のカフェインについては、眠気防止の市販薬の場合は15歳以上で1回200mg、1日最大500mgが上限です)。

カフェインは「眠気防止」「倦怠感を抑える」作用として市販薬にも使用されることが多い成分ですが、副作用も多い成分です。“胃腸障害”“動悸(心筋を興奮させる)”“尿量増加”などの副作用が報告されています。場合によっては“不眠”“めまい”“頭痛”などの症状が現れることもあります。

ご存知のように、コーヒーやお茶なども豊富なカフェインを含有していますので、知らず知らずに、日常的に多量のカフィンを接種していることもあります。気づかずに「カフェイン中毒」になっている場合もあるようです。

「エナジードリンク」だけでなく「栄養ドリンク」もカフェインを含んでいる商品が多いため、いずれの商品も1日1本を限度に使用することをお勧めします。

「栄養ドリンク」には、いままで述べたほかにも「疲れの予防」「口内炎の時に」「眼精疲労・肩痛・腰痛の緩和」などの効能を持つ商品もあります。自分に適切な「栄養ドリンク」が分からない場合は、ぜひ薬剤師・登録販売者などの専門家にご相談下さい。

今回の薬用植物

「ウコン」

ウコン(姜黄、jianghuang)は、ショウガ科ウコン属の多年草。

ショウガ科 Zingiberales ウコン属 Curcuma ウコン Turmeric

熱帯アジアに自生、栽培される多年草。根茎を用いる。主成分はクルクミン。肝機能の向上や染料などに用いる。一方で大量摂取による肝機能障害の報告例もでている。

含まれる主な漢方薬

特になし

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