2024.01.23

風邪薬は、どうして1箱しか売ってくれないの?

新型コロナは5類に移行されましが、流行が収まったわけでもなく、今はインフルエンザも数年ぶりに猛威を振るっています。その上“普通の風邪”も今年は流行っているようです。

ドラッグ店舗でも例年より子供用・大人用を問わず、風邪薬をお求めになるお客様が増えている実感があります。

ところで、常備用に風邪薬を2箱買おうとしても「風邪薬はお1人様1個まででお願いします」と言われた経験はありませんか。どこのドラッグストアでも風邪薬はお1人様1箱という制限をつけているところがほとんどになっています。なぜでしょうか?

「風邪薬」に入っている成分について

風邪薬を1人1個に制限している理由は、取り扱いを注意すべき成分があるためです。

風邪薬は11の症状(のどの痛み、発熱、鼻水、鼻づまり、せき、たん、

悪寒、頭痛、くしゃみ、関節の痛み、筋肉の痛み)に対応できるように有効成分が組み合わせされています。そのなかで、

・咳に効く成分

コデイン、ジヒドロコデイン

 ・鼻づまり、鼻水、くしゃみに効く成分

  エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン

 ・鎮静成分(おもに頭痛薬に配合)

  ブロモバレリル尿素

 の5つの成分のいずれかが入っている風邪薬(頭痛薬なども含む)が販売規制の対象と

なっています。

 これらは、依存性があり、厚生労働省より「濫用(乱用)等のおそれのある成分」として、市販薬販売において特段の注意喚起がなされています。

10代に急増するオーバードーズ問題

近頃、ネットや新聞、テレビなどでも盛んに報じられているのが「10代のオーバー

ドーズ」です。オーバードーズは「薬の過剰摂取」のことで、略して“OD”とも呼ばれ

ます。

ある統計では2014年時点で10代の薬物問題のほとんどが「危険ドラッグ(脱法ドラッグ)」によるものでした。一方で、市販薬に起因した問題は0%でした。

その後、法規制により「危険ドラッグ」の取締まりが強化され「危険ドラッグ」の問題が減少した一方で、市販薬の過剰摂取が急増してしまいました。2022年の統計では、10代の薬物問題の56%を市販薬が占め、大きな問題になりました。そのため市販薬を販売する薬局、ドラッグストアは、より厳格に対処するようになりました。

風邪薬は、どうして1箱しか売ってくれないの?

薬物問題の対処法として①社会的制約(法規制など)②教育(過剰服用や薬物依存の危険性を周知するなど)③販売体制の強化(厳格化)などによって防いでゆくことになります。

実際、例に挙げたような成分を含む風邪薬などを販売する時、場合によっては販売しないことも念頭にいれながら、販売数は最小限(1箱)、特に未成年へ販売する場合は、年齢確認のうえ、注意を促すなどの対応をしています。

出口(供給)を締めることは、重要な薬物対策です。購入するお客様の倫理観に頼るだけではなく、薬に関わるひとりひとりが、薬物問題に対して責任感を持って対応していくことが大切だと、私達ヤマザワ薬品は考えています。

医薬品は生活を支えるものであり、生活を壊すものであってはならない

医薬品を適正に使用することはQOL(生活資質)の向上につながります。しかし、薬の

過剰摂取や、薬に対する過剰な期待は、逆にQOLの低下につながり、生活そのものを

壊しかねません。

医薬品を適正に使用するために、不明な点は、ぜひ薬剤師・登録販売者に相談しましょう。そのために、医薬品の資格者が常に店舗にいるのですから。

生活のリズムを整えて、不調の時は休息や適切な医薬品の使用で厳しい冬を乗り切りま

しょう。

付録:今回の薬用植物

「レンギョウ」

レンギョウ(連翹、Forsythiae)は、モクセイ科レンギョウ属の落葉性低木広葉樹。

各地、特にアジアに多い木本。果実を用いる。利尿・排膿・清熱作用などがあり、皮膚の化膿性疾患などに用いる。

含まれる主な漢方薬

防風通聖散、荊芥連翹湯、清上防風湯など

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